銀河英雄伝説にまつわる思い出①


久しぶりに銀英伝(90年代初期の黒カバー中国語版)を手に取ってみる。翻訳のいい加減さに頭が痛む。大学の頃はよくこんなモノを読んで銀英伝にはまったな…とじみじみ感動するというか少々感傷。
田中芳樹作品を読み始めたのは、高校入学試験の控える中学三年の夏だった。その夏休みに、「アルスラーン戦記」と「サイレントメビウス」が併映する「六次元英雄伝説」はその年七月、台湾で上映することになったため、台湾のアニメ雑誌『先鋒動画』(1989〜1991)はアルスラーン戦記第一巻の内容を映画に先駆けて、その年の五月から連載し始めるのがきっかけだった。もちろん120%無断掲載だと思うし、また連載第二回で雑誌自体が廃刊するというとんでもない掲載仕方だったが、忠心しすぎで可愛いさえ思える黒い騎士ダリューンと、どう見ても諸葛孔明の設定をパクッた天才軍師、ナルサスの会話に惹かれて、入学試験が終わってからすぐ読めもしない日本語版を、できたばかりのSOGO紀伊国屋で買ってしまった。しかも一、二巻。
中学一年の時、趣味で五十音を勉強したので、辞書を片手に根性で無理やりに読み通した。しまいに第一巻をまるまると原稿用紙に翻訳して、中学校の親友に送って読ませる荒仕事までやった。小学校卒業以来、中国語の小説さえ読まないくせに…若かりし頃の自分が恐ろしい。そうやって、高校時代で田中芳樹作品を「アルスラーン戦記」、「西風の戦記」、「アプフェルラント物語」、「戦場の夜想曲」、「創竜伝」など、次々と日本語版を買って読んでいくが…
なぜか代表作の「銀河英雄伝説」だけがずっと読んでなかった。
若者の特有な、「流行のモノは敢えて外して読まない」読書の仕方かもしれないが(汗)とにかく意味不明なこだわりで銀英伝を拒み続けた記憶がある。大学に入って、アニメも見て、ミッターマイヤーと森功至氏の声に惚れて、やっと小説を読むことになった。しかし、どこかやはりひねくれで、日本語版は最後までも買わないことにした。
で、今頭が痛むわけだ。もう諦めて日本語版を買おうか。
翻訳はいいとして、数年のブランクを経て、改めて読んでみると、田中氏のキャラクターを立たせる描写のうまさをさらに実感する。目と髪の色から入るキャラクターの外見、そして会話に性格や設定を巧みに織り込む、無駄な芝居はしない。記憶の中に「あのシーンの名セリフ」と記憶しているセリフも、本当はそのシーンではそれしか出してないセリフだったり…つまり名セリフが多いと感じてはいるが、実は無駄なセリフがほとんどないということだ。また一勉強になった気がする。
ついでに「エンサイクロペディア銀河英雄伝説」(日本語版デス)も引っ張り出して、ミッターマイヤーの項を見てみると
年表の長さはロイエンタールの半分もないんじゃないか…orz
一応最後まで生きているキャラなのに…ひどいな。まあ、ドロドロとした幼少時代がないし、ラインハルトに反旗を翻すこともないからね、ミッちゃんは。しょうがないか。