『A』はアジアのA⑥正面から

詳しい経緯は省略するが、先月は「舞台裏ではなく、意見があるなら番組の内容に意見してもらいたい」と何だかんだと言われ、非常にムカついていた。舞台裏の話ならまだ自分が絡んでいたので、多少手柔らかく語られそうだと思うが、そこまで言うのなら、お望み通りに正面から叩き切ってやろうじゃないか。
ではまず軽く番組の基礎データを整理しよう。

「A」 日本テレビ系・日曜19:58〜20:54
「A」は、たくさんのASIAの人たちの協力のによって作り上げられる番組です。 日本とは違う生活環境で生きるASIAの人たちを、もっとよく知って、日本の生活に役立つ生き方や考え方を探す…そんなマジメな事を楽しく繰り広げる情報バラエティ番組です!
公式サイト http://www.ntv.co.jp/A/

司会は久米宏松浦亜弥。出演者は夏木マリ山口智充、オセロ(中島知子松嶋尚美)、土田晃之若槻千夏を添え、「im.tv」というネットコミュニケーションシステム*1を使い、アジア各国の人々との対話と情報提供に基づいたリサーチ内容で、日本のとは違う生活様式を紹介する、画期的な番組――人気キャスター久米宏ニュースステーションから1年ぶりにレギュラー復帰する番組で、年齢差42歳のアイドルあややとのダックや、扱い難いアジアネタ*2、そして最新対話システムの導入などから、話題性も抜群で大いに期待と注目を集めた…が。
記念すべき第一回放送から、信じられないことにコケてしまった。あれほどアジア情報番組と銘打ちしながら、四月中旬の中国反日行動*3については一言も言及せず、「今週のAニュース(放送日から一週間逆算したら4月10日〜4月16日を指す)」コーナーではなんと「中国の肥満児が急増!」という、日本人が知っても知らなくても…いや、台湾人としても別に知ってどうなるものじゃない、所謂ひまネタを扱っていた。その後に続いたのは韓国で子供の将来のため、妻子を海外に送ってしまい寂しがるお父さんおばあさんや、台湾高校の生活栄誉競争校則*4、タイの人はみんなニックネーム持ってる*5など、トリビアと言っても程遠い、知って「へぇ」にもなれず、所詮「ふ〜ん」で終わるネタばかりだった。
視聴率も振るわず、初回から前の番組「ワールド☆レコーズ*6」の平均10.9%*7より下回る、日曜ゴールデンタイムではもう恐ろしいと言っても表せない恐怖の数字でスタート。6月5日放送の読売テレビたかじんのそこまで言って委員会*8によると、「A」は初回視聴率が出た日からもう大変なことになっていたそうだ。




個人的には、銭衝さんの日記で気になって第三回から視聴開始…というか一回見てもう腹いっぱいだし*9、またせっかく大金払って用意した久米宏やリアルタイム対話システムの使い方が、新しい発想が全然感じられないのが痛いので、見るのはやめようと思ったが協力要請がきたので、第五回からもうしばらく視聴し続けた。これもまたいろいろ勉強できたと思うが、そうだな、悪い見本として

*1:台湾の会社ERA Digital Media社が開発したシステム。インターネットの特性を利用して、番組提供者と(複数の)視聴者がリアルタイムで双方向対話ができ、テレビを情報を一方に提供するツールから、複数の情報を同時に処理し共有させるツールへ変貌させるという。上手に運用すれば、絶対に新たな形の「生放送番組」が生み出せると私も思う。ちなみにその社長の邱復生は、SNG(生中継)を全台湾に広めた張本人。

*2:特に久米宏は左翼のイメージが強いため、反日風潮が日々強まる中韓両国の時事ネタの扱いは見物だと思った人も少なくなかった。というより、私がその中の一人だったが。

*3:2005年4月9日北京の一万人反日デモから始まり、広州市深セン市、上海市など都市部、しまいに香港にも大規模デモが発生し、日本大使館や日系施設を攻撃する事件が相次いだ。一連の行動は約三週間ぐらい続き、中国サイトの戒厳と日本サイトの斡旋でようやく沈静化。

*4:そんなの小学校の頃からやってるよ!

*5:台湾のアニメ漫画関連大学サークルの部員だって、9割ニックネーム持ってる。ちなみに私は1995年入部当時から「竜堂(続)」というニックネームをつけ、それからずっと呼ばれていて今に至る。ネットでは「elielin」より「竜堂」の方が認知度高かった時期もあった。

*6:ロボットバトルは面白かったな。

*7:2005年1月〜3月の平均視聴率。

*8:関西の番組で見たことは無いが、そっち系にもつつく「ビートたけしのTVタックル」なのかな?HPを見る限り、かなり時事議題を切り込む番組みたいで、「A」を仮想ライバルと予想していたのか、「A」の話題を放映前から注目している。

*9:真面目にやりたいならマジメで、ふざけようとしたらボーボボに負けないぐらいはじけてほしい。中途半端で気持ち悪いし、韓国のモテナイ男がジャージャー麺食べるか吐くかって知りたくもない。