実は追っかけ?

先々週の末ぐらいかな、思いもよらぬところ*1から、東野圭吾さんをインタビューしませんか」という誘いがきた。そう。その自分の大好きな作家先生だよ、東野圭吾って。しかもそのインタビュー内容は雑誌にも使えるというので、これから進行する予定の連続企画にも繋がるし。魅力的だ。
しかし、日時は4月13日の午後ということを聞いて、すごく迷った。第一日本は先月あたま行ってきたばかりだし、また10日以後台湾にいなかったら雑誌がやばいんじゃん(汗)…と、理性はそう判断したが。でも結局「東野さんに会えるんだよ!サインももしかしてもらえるんだよ!」という不純な動機に負けてしまい、チケットとホテルを手配して*2、4月12日行き14日帰るという強行軍スケジュールに。
少し追っかけばあさんの気持ちが分かってきた。
このインタビューを企画した商周出版は、そちらで聞き手を用意してある。もともと新聞記者で、23年前在日の台湾棋士王明琬に嫁ぎ、今は海を越えて台湾で作家としても活躍している劉黎兒さんだ。村上春樹吉本ばななもインタビューしたことがあるベテラン。しかし東野さんについて、劉さんはそんなに詳しくないかも…という商周出版の配慮があったそうで、スペア用(?)に私も聞き手として参加することに。つまりメイン聞き手は劉さんだから、私は基本そのインタビューが終わってから聞くという段取り。割り与えられた時間は約30分間。まあ、十分でしょう。
商周出版と光文社の方々のご好意に甘え、劉さんのインタビューを間近に見れた。そしていろいろと勉強ができた。昔はアニメーターや声優さんにしかインタビューしたことがなかった*3からな。作家さんへの切り込み方はまた違う。これも一つの収穫。でもいざ自分の番になると、大好きな作家さんを目の前にしてやはり緊張する。舌がうまく回らなく、ギャグもうまく言えず、自分の未熟さに少し凹んだ(おまえは一体何しに行ったんだ!?ギャグはいらんよ)デビュー前のことや、難しい素材の扱い方とかについていろいろ聞けて、なかなかお得な感じ。唯一、翌日になって悔しく思い始めたのは、せっかく劉さんのインタビューで聞き出した、東野さんの好きな漫画は《巨人の星》と《あしたのジョー》ということについて、もう一歩踏み込んで追及してなかったこと。光文社側がチェックされていない質問は、聞いていいのかと一瞬迷い、チャンスを逃した。しかしよくよく思えば、うちの雑誌の読者が喜ぶ話題のはずだし、さらっと聞けばいいのにな。ううっ。
感想。東野さんは本当に格好いいな…ダンディーで。こんな格好いい人と、ドラえもんみたいな自分と一緒に写っている写真があると思うとゾッとする。どうか商周出版の方々がうまくその写真を葬っていただければと願うばかり。
商周出版と光文社の皆さん、本当にありがとうごさいました。東野さんに会えてすごくうれしかったです。直筆猫絵入りのサインは家宝にします(やはりおまえは追っかけしに行っただけじゃん!?)

*1:「商周出版」という、今台湾に覆う翻訳推理小説ブームを作り出した大手出版社。なぜミニミニ出版社の私に声かけてきたのかと不思議がるぐらいメジャー。恐る恐る聞いてみたら、どうも私の東野圭吾好きは、業界や推理小説好きの間には噂になっているらしい(ますます不思議)

*2:動機が不純なのでホテル代は立替ではなく自腹にした。

*3:作家さんインタビューは今年二月でようやく初めて経験した。相手は菊地秀行さんだった。一対一のインタビューが初めてなので、今度とはまた違う緊張感が走っていた。菊地さんが優しくてよくしゃべる人で本当によかった。