台湾のネットラジオ

Wordpressによるサイト改造は完成したが、オンラインショップの移転がうまくいかず、PHP言語と苦戦して今アキラメモードに入りつつあるelielinッス。いくらコードを直しても、リロードしたら出てくる出てくる白い画面に悩ませている。PHP改造なんて素人が気軽に挑むモノではない、それを認めるからせめてエラーメッセージをくれよぉ、もう…Xoopsに変えちゃうぞ!
なので、漫画の話ができなく仕事の話もしたくない。少し身近なことをネタにしよう。
先日の深夜、サイト移転作業中にふとやまだひさしの声が聞きたくなった。そう、柄もなく。日本にいた頃、夜は毎日のように外回りに出かけ、その時車の中で決まってTOKYO FMにチャンネルを合わし「やまだひさしのラジアンリミテッド」を楽しんでいた*1。あの陽気な声を聞いて、深夜の運転も気合が入れるからね。当時は確か夜10時からの2時間生放送だが、ネットで調べてみたら、現在は「DX」になって午前1時〜3時の枠になり、しかも新企画がガンガンやってるようだ。うううっ。聞きたい。
よし、天下のTOKYO FMなんだからオンライン放送ぐらい…と思ったら、ないのだ。しかもTOKYO FMだけではなく、日本のラジオ局がほとんど、リアルタイムで聞けるオンライン放送が備えていないという事実を気付き、かなり落胆*2。どうも音楽とかを流す時、著作権には問題が生じるから、したくてもできないというのが現状だそうだ。まあ、仕方がないと言ったら仕方がないんだな。こうやって創作物を大切にしてきたから、日本の文化産業が盛んでこれたモンな。
と、前置きが長くなったが(汗)さて、なぜ私は「ラジオ局だからオンライン放送ぐらい…」と思ったかというと、それは台湾のラジオ局のほとんどは、オンライン放送がついてるからだ。サービス精神旺盛というか著作権意識が薄いというか…とにかくほとんどあるのだ。
そう、ほとんど。全国ネットはもちろん、地方でもわけの分からない草の根ラジオでも、時には備えているのだ。中華電信*3からこんなサービス↓が提供するぐらい、普通なことだ。
Hinet廣播(中国語)
Hinet廣播
ここで聞けるネットラジオは28チャンネル。全国ネット局が多いが、地方局もある。
以下はネットで聞けるチャンネルを少しピックアップして紹介しよう(紹介文中のリンクを押せば聞けるはず)。

  1. 中央廣播電台
    http://www.cbs.org.tw/
    台湾の国家ラジオ局。日本統治時代下の1928年設立。NHKみたいな存在かな。ニュース、政治、人文系の番組が強く、堅実なイメージを持つ。メインの「華語網」以外、ポップスを延々と流す「音楽網」もある。また、リアルタイム放送ではないが、日本語サイトに台湾ニュースや中国語講座など日本向けのコンテンツがダウンロードできる。
  2. 中國廣播公司
    http://www.bcc.com.tw/
    同じく1928年設立の老舗。ただしこちらは1949年国民党と一緒に台湾に来たラジオ局。資本は国民党から出していたので、設備や人員などの資源が富んでいた*4。番組もニュース、バラエティ、流行文化など幅広くカバー。ネットではニュース番組中心の「新聞網」、総合的でかなりメジャーなラジオ番組が集中する「流行網」、音楽番組中心の「音楽網」、古典音楽チャンネル「古典網」が聞ける。
  3. 飛碟電台
    http://www.ufo.net.tw/
    廣電法(ラジオ局などを管理する法律)の改正により、90年代のラジオ局成立ラッシュの中で設立し、現在北部では最高の聴取率が誇る飛碟電台。取締役は元国会議員(立法委員)の趙少康*5で、政治絡みの内容によるトラブルも時々聞くが、とにかく流行りモノを惜しまなく投入する姿勢が若者に人気。1996年設立した「飛碟本台」には陶晶瑩、黄子佼など人気パーソナリティやDJを保有し、政治の話題を中心としたトーク番組もある。そのほか80、90年代のポップスを中心にかけ流す「国語経典台」と最新の流行曲を流す「国語流行台」、そして洋楽中心で同じかけ流す「外語流行台」と「英語経典台」も。
  4. 台北之音
    http://www.hitoradio.com/
    公式サイトがかっこういい台北之音。1995年で設立した、台湾最初の民営ラジオ局。台湾の名プロデューサーである王偉忠が創立メンバーだからか、音楽関連番組はとにかく聞き応えがある。音楽業界の関係者や歌手(80年代でヒット曲を飛ばした人が多いが)によるトーク番組も人気。
  5. KISS RADIO
    http://www.kiss.com.tw/
    国語音楽番組中心のチャンネル。亞洲秘密房間(=゜ω゜)ノで詳しく紹介され、知ってる人がもうみんな知っていると思うKISS RADIO。とにかく台湾の最新ポップス。しかも24時間生放送。すごいんだよ。
  6. ICRT(台北國際社區廣播電台)
    http://www.icrt.com.tw/
    もともとは駐台米軍専用のラジオ局で、1978年台米断交時一緒に撤退する予定だが、在台アメリカ人団体が奔走し、1979年にICRTとして生まれ変わった。洋楽と英語ニュースがメインで、英語の勉強にいいという理由で、リスナーは学生が多い。このチャンネル聞いて洋楽に目覚めた人も大勢いる。番組の合間に流れる中国語CMからは、台湾の海外留学事情を垣間見できる。
  7. 漢聲廣播電台
    http://www.voh.com.tw/
    最後はやはりこれでいこう、漢聲廣播電台中華民国国軍が運営するラジオ局で、うちの雑誌で不定期連載をする漫画家の一人は、本職関係でここに働いて、ラジオ局のHPで四コマ漫画毛球軍旅誌」の連載もしている。兵役で軍にいる若者や、すでに退役した老兵たちに向けて放送する、栄光と哀愁を混ぜ合わした番組は、他局には到底真似できない。2005年は、土日の17:00から台湾のプロ野球中継が聞ける(タイムテーブル)。

ラジオではないが、おまけとしてHinet音楽のリンクもつけよう。「Himusic打歌王」のところでは、時々PV(台湾はMVと呼ぶが)がまるごと見れる新曲があったりする…日本では考えられないやり方かも(汗)でもおトク感あるね。
中で一番気になってるのは、「旺福」というバンドのニューアルバム「旺福誌」だ。「DoReMi」という曲はなぜかcapsuleのアルバム「ハイカラ・ガール」を思い出させる。同曲のPVも60年代風にまとめてて面白い…歌詞がいまいち意味分からないけどね(えーっ!?)

*1:ラジアンリミテッド」が終わって日付が変わったら文化放送に合わす。アニメや声優関係の番組が多いから。

*2:唯一リアルタイムで聞けるのが湘南放送(FM78.9)。しかも湘南の海の映像付き、素敵だ。でもローカル局なので、番組数が少ない。ちょっと物足りない感じ。

*3:国営企業として、数十年間台湾の電気通信市場を独占してきた。1996年民営化し、一般民間業者との良性な競争が望まれていたが、法律などの整備がまだ整えていないため、特にネット関係のサービスは一般民間業者の手も足も出ない状態が続いてる。ADSLはいまだに「下り最大12M、上り最大2M」なんてふざけるな!

*4:でも現在国民党が金欠気味なので、経営がかなり苦しくなったという噂も。

*5:1950年生まれ。もともとは中国国民党の少壮派で、ルックスのいい正論家で人気があるが、近年は時々いかれた発言を。1992年の国会議員選挙で20万票という史上最高得票記録を達成(普段3万票もあれば当選できるが…)、いまだにその記録を破れる人はいない。1993年国民党から脱退し、王建煊、郁慕明と一緒に新党を成立。しかし、1994年台北市市長選で20万票差で破れ、その後政治の仕事を投げて飛碟電台に就く。新党もこれでガタガタになった…可哀想な郁慕明(現新党党首)。