台湾産MMORPGのイラスト盗作疑惑

溜まった下書きを放出したいので、まずこれを。実を言うとこの件は中国語ブログで書きたいけど、なんか変な勘違いされてしまうのが嫌だから避難用出張で。
2008年年末(12月24日)からクローズβテストで、2009年年始(1月10日)からオープンβテストMMORPG女神online』は、そのβテスト期間中に台湾のネット匿名板界隈をたいへん賑わせた。原因は「イラストの盗作(パクリ)疑惑」だ。
キャラクターボイス神田朱未冬馬由美桑島法子能登麻美子など日本の人気声優さんを起用し、「台湾オリジナル制作・日本式美少女プラスメカアクションMMORPG」と銘打って、去年の半ばからキャンペーンに力を入れてる『女神online』。当時からキャラクターの制服がどう見ても『パワードール』なので非議する声もあったが、日本声優の起用などでそれなりの注目と期待もあったわけだ。しかし蓋を開けてみれば、美少女ゲームにおいてもっとも肝心なイベントシーンのイラストは、どこか見たことのあるようなものだらけ。コレはマニアの怒りを大いに買ってしまった。
1月10日のオープンβテストから2日後、14点以上の検証画像が匿名掲示板に上がってきた。およそ10作のギャルゲーからのイラストとの構図の酷似、『状況開始っ!』の2枚に至ってはイベントまでも同じシチュエーション。そこから板の住民がいろんな検証作業し始まり、17日にはそれらの画像をまとめた検証動画、19日にはComiComiで画像まとめを編集した特集記事っぽいモノさえ出てきた。*1


そしてゲームOPの冒頭と終わりのタイミングも含めた演出は『ブルーフロウ』プロモと酷似。なんだか工画堂スタジオばかりお贔屓のようだ。比較動画を作るのが面倒だから、まず上の動画をプレイして、7秒間後に下の動画をプレイすると、ものすごくシンクロしてるのがわかる。BGMは違う曲なのに、なぜタイミングが合わせられるのかすごく謎。


そのほかにもミッションの酷似などで、ゲーム本体をプレイするより、匿名板の住民は検証の方が楽しくてしょうがないように見える。2007年年末2chで同じく盗作疑惑で賑わせたマンガ『メガバカ』のゲーム版みたいな感じ。まさか最初からこういう遊び方を狙ってるのではとも思えるぐらい…ありえないけど。
自分の感想を言うと、まったく新しい会社の最初の作品でこんなことしたら、まあそんなもんか次はガンバレアハハと思えるが、この『女神online』の開発元「中華網龍(Chinese Gamer International)」は2000年創立で、親会社の「智冠科技(Soft-World)」は1983年創立し、上場もしてるゲーム制作会社の老舗。なので正直そんな温かな目では見れない。
現時点オンラインゲームだけでも18作が稼働中、台湾ゲーム業界の代表でもある大手会社の中華網龍が、あろうことかこのようなことをやってしまうのを見て実に残念…というより、ある種の無力感さえ感じる。現にオープンβテスト始まって1週間で同時アクセス数が3万人を越え、営業収入は月2000万台湾ドル(およそ5200万円)の見込みで大成功の勢い*2。開発制作側が何かをゲームの中に入れ忘れたとしても、その何かなんてユーザー側も全く気にしていないから。
何かなんだか。

*1:この記事を書こうか…と思わせるきっかけ。検証画像をずらりと張るのが抵抗があるけど、埋め込みビューアでコンパクトに貼れるなら、と。

*2:日本語版の公開も控えてるようだから、トータルで見ると、パクられたとされてるほとんどのゲームよりはずっと稼ぐのだろう…