台中春宴2008に行ってきた

実はそろそろ4月号の編集作業に集中しなきゃいけないので、今回はちょっと手抜きというか、いつもの長文と違いフォト日記風でお送りしたいと思うが、説明しないといけないものはやはり説明が必要なので、写真だけではダメな気がする。
ではさっそく説明。「春宴」というのは、台湾中部の大学のマンガ/アニメサークルが互いの交流の中、「同人誌即売会はみんな北部(というより台北)に集中していて、中部の同人サークルが参加しやすいイベントがほしい」という共同認識が形成し、その後連合して開催する同人誌即売会*1。最初の活動は2001年で、途切れずに開催してきて今回の「春宴2008」で八回め、台湾の同人活動史上においても、現在では一番歴史のある学生主催のイベントである。
去年には(どうもわけありで?)急に主催者から連絡が来て、企業ブースの提供と引き換え、二日目の舞台イベント*2を考案・執行するとお願いしてきた。トークセッションを組んで難なくこなしたからか、今年も呼ばれた。喋る以外能がないのでまたトークを組んだ。*3
そして3月16日、うちの雑誌で連載している漫画家の簡嘉誠張季雅と舞台には上がらないが手伝いに来てくれた林迺晴*4を連れて台中へ。うちの有能なコスプレ少女魔法使いの働きで、台北からの遠隔交渉だが、舞台もブースも準備はしっかりとやってくれた。本当に助かった。


場所は信義國小(小学校)の構内。コスプレイヤーは構内の至るところに見かけるが、即売会会場は体育館内だ。入場料は50元で、二日目にもかかわらず10時前には長い列が。最後尾プレートを持つ彼はちょっとコワイ感じだが、笑うとかわいいよ。
場内は基本的に撮影禁止なので、記録用で自分のブースでしか写真が撮れない。フォト日記としてはちょっと残念。*5

実は先日の人生ログで言及した突発本なんだが、朝7時ごろにはまだコピー機で複製されているので、ブース入りの時点でまだ仕上げられていない。そんで現役漫画家が一列に並んで必死にサインをしてる風景に。

と、コピー本を目の前にして「昔は山ほど綴じた」と言い、黙々と一冊一冊丁寧に綴じる林迺晴。限定30冊はあっという間にできた。

『月刊挑戦者』が誇る、台湾現役最年少漫画家少女・張季雅(20)が突発本を手売り。近いうちにこのブログでその作品を紹介したい。

一段落したらラフ用紙を取り出して作業し始めた林迺晴。これも注目の的に。親子連れ(子供は小学高学年ぐらいかな)の親に原稿用紙の選び方、漫画の描き方とかも聞かれたり。

トークセッションや突発本の情報は事前に流してあるので、雑誌の読者からケーキの差し入れ。実に嬉しい。しかもちゃんと人数分の紙皿を用意してくれて、その心配りに脱帽。

ブースを仕切る魔法使い(画面左の兎ちゃん)とコスプレ少女(右)。二人がいなければきっと大混乱するんだろう。ありがとう。

トークは午後2時から始まる。前日寝ていないのでその時点でもう30時間近く起きている。なんだかドラえも…膨らんで見える。え?普段はもう膨らんでるって?手前は張季雅で、奥は椎間板ヘルニアからやっと回復しつつである簡嘉誠。

日本ではテヅカイズデッドとかキャラ概念論とか、フィクションは物語中心からキャラクター中心へ脱却するなどの贅沢の話ができる世の中になっているが、こちらは真面目に「物語の作り方」についていろいろ意見交換していたりする。簡くんは取材困難な連続モノ担当で、季雅ちゃん地元ネタを扱う短編モノ担当*6な具合。かなり密度の高い話が1時間ちょい。
トークが収束し、時間が10分ぐらい余ったので、現場の読者に「質問したい?簡くんの歌を聞きたい?」と聞いたら、「うたー!うたー!」*7というので、なんとか歌わせようとがんばって仕掛けたが、失敗(?)して自分も歌う羽目になる。しかも組曲『ニコニコ動画』を…orz
D

トークの1時間強より最後の10分間は数倍長かったよ、もう。

そして、すべてが無事終了。突発本が早々完売し、ブースの売り上げも上々。見本の一冊を記念に持ち帰り。以上。
いろいろ楽しかったけどいろいろ疲れた(精神的に…)。来年はまた機会があっても、たぶん今年のような感じではなくなると思う。まあ、前向きに考えて、もっと盛り上がらせばいいけど。

*1:最初は5校連合で、2008年は10校共同。今回のメインスタッフは台中教育大学アニメ部、中興大学アニメマンガ部、嶺東科技大学マンガ部、逢甲大学アニメ及びマンガ研究部、朝陽科技大学ACG動漫研究部が担当。

*2:台湾の同人誌即売会の二日目の人気は落ちる慣習があるので、人を呼び寄せるために舞台イベントは二日目に設定するのが多い。

*3:トーク相手はさすがに違うメンバーだが。

*4:去年のメンバーだから。

*5:去年はこっそり撮ったのがあるような気がするが、探さないと。

*6:現在は連載モノを描いているが、彼女のデビュー作と現在の代表作は台湾のプロ野球「ファン」をテーマにした短編連作なので。

*7:簡嘉誠は10年前、まだ大学生の頃にはちゃんと歌で賞をもらった歌の実力者。前に面白半分でブログに自分のアカペラ合唱(全部僕)を一曲載せた以来、「歌える」のがバレてすっかりファンの話題に。